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『波郷句自解』 『波郷句自解』石田波郷著
 昭和22年刊の自註『波郷百句』を半世紀ぶりに再刊、新たに「自句自解」など10数編を加えた波郷自身による波郷句注釈の書! 戦前上京直後の青春俳句から晩年酸素を離せぬままの病床句まで、波郷の百数十句が今よみがえる。
「冬青き松をいつしんに見るときあり」

 冬青とか松とか何ら新奇はない。何事かに思ひぞ屈する故に、一本の松を偏ら凝視するのである。俳句は要するに何事も言へないといふことを知り始めた頃の句だ。昭和十三年。

「雁や残るもの皆美しき」

 昭和十八年九月二十三日召集令状来。雁のきのふの夕とわかちなし、夕映が昨日の如く美しかつた。何もかも急に美しく眺められた。それら悉くを残してゆかねばならぬのであつた。

「ここに酸素湧く泉ありクリスマス」

 呼吸困難になると肺は何かに圧迫されたやうに苦しくなる。何を以つてしても代替されない苦しさだ。酸素を吸ふと奇蹟のやうに楽になる。あの水泡音が泉のやうにひゞいてくる。クリスマスの夜の、消燈後のくらやみの中できく泉の音、私は今もその泉を離れられない。
『波郷百句』
『波郷百句』
昭和22年 現代俳句社刊
 俳句は、俳句自身の重さによつてたつものであつて、註解の如きは第三者の為すことである。然しながら、一つの俳句には、それの生れてきた『場』や、特殊の『時』が負はれてゐて、作者自らが、そのことを註することは必ずしも無意義ではないと思ふ。これによつて註解者の触れ得なかつたものの覗けてくる場合もあり得るのである。更に初心のものにとつては俳句鑑賞の手がかりとなる。俳句鑑賞にはいくらかの修練を要するが、この書の自註は、それを省いて誰にも俳句鑑賞を可能にさせると思ふ(『波郷百句』あとがきから)
波郷百句
『春嵐』私註
自句自解
 雑詠句評会自解/自句自解(昭和二十一年)/実朝忌他三句/惜命五句自解/自句自解(昭和三十一年)/えごの花
句の背景
 鶴の眼/歳晩/秋立つ/笹鳴/我孫子/成形まで——わが闘病記/仰臥日記/肺の中のピンポン球——わが闘病恢復記/早春/峠と谷/郷愁/雪の日/療養花暦/初スキー/銀河/酒中花/新春俳句雑談/数へ唄/俳句と私/山の地蔵さま/螢火/沙羅の花
波郷句鑑賞(石田あき子)
解説
石田波郷年譜
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